催眠術のかけ方 3つの重要なこと

催眠術をかけるためにはとても重要な要素があります。


まず両者間に「ラポール(信頼関係)がある」ことです。

信頼関係がない状態、簡単に言えば「この人は催眠術を掛けられる人」と思われたら最良の状態で、「なんだか胡散臭い」「インチキ」と思われたら最悪の状態です。

催眠を行うためには、行う側の絶対の自信を見せることも大事です。


次に「対象者が暗示にかかりやすい」ということです。

これを知るためにまず被験性テストを行います。

被験性テストをごく簡単に説明すると以下の様なものになります。

対象者に瞬きをしないようにしばらくの間目を開け続けさせた後、瞬きを普通に行ってもらいます。

そのとき催眠術師が「あなたはだんだん瞬きが早くなっていきます」と言ったとします。

このとき暗示にかかりやすい人は本当に「瞬きが早くなってきた」と驚きます。

かかりにくい人は逆に、「瞬きの回数は変わらない」と訴えます。

実際は瞬きの回数が増えることはごく自然なことなので、後者の場合は警戒心が強くて催眠をかけるのは難しいことがわかります。

前者は既にこの時点で暗示がかかっているともいえ、徐々に誘導していくことで催眠をかけることが可能です。

上記はあくまでただの例で実際にはもっと複雑な手順を踏みますが、基本的には「当たり前に起こることにどう反応するか」を試すのが被験性テストです。


最後に重要なのは「注意」です。

例えば「手が開かなくなる催眠」であれば注意を100%手に向けさせます。

まず手を力いっぱい開かせた後に力を抜かせるといった行動を起こさせ、自然と手が閉じていく過程から術師による誘導(ほら、段々とあなたの手が閉じていきますよ等)を行います。

そして手が完全に閉じたときに力が入ってる感覚などに対して術者が言葉によって注意を向けて、最終的に手が開かなくなる状態に注意を持っていきます。

注意をうまくコントロールすることが催眠の骨の部分と言えるでしょう。